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渡辺貞明建築設計事務所   mail : sadwat@mac.com 044-434-4777


by sadwat

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三渓園   「臨春閣」


ー臨春閣ー

この建物は古くさいですか

それとも

おしゃれですか


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障子に映り込む松の樹影

この影が造り出す室内の雰囲気は同じ建物にある狩野派の襖絵に勝るとも劣らないことだろう


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この部屋の元の姿の華やかさを想像するのは難しくない。

胡粉を 摺り込んだ砂摺り仕上げの白い天井

紫外線を浴びて白っぽく変質してはいるが、おそらくは高貴な溜色の漆塗りの床框

九条型の品の良い紋縁の畳

狩野派の、幽玄な水墨画の襖

極めつけは、実物の笛や、笙を組み込んだ斬新なデザインの欄間などなど、その独創性は
枚挙にいとまがない

伝統の延長線上にある独創とはこのようなものかと思う







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by sadwat | 2008-12-05 23:40 | 建築散歩

江戸東京建物園 田園調布の家

江戸東京建物園 田園調布の家
1925年(大正14年)


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以前ご紹介した堀口捨巳・小出邸と同じ年に建てられた平屋建ての小品。

デザインの密度が高く、「田園調布の家」かくあるべしといいたくなる。
小さくても節度と余裕さえ感じさせる住宅の秀作。
このような感覚を普通に建築家が持っていた時代がうらやましい。
洋風にあこがれながらも、いかにも日本人好みにまとめられていて、フィット感のあるスケール。
今どきの耐力壁第一主義の住宅と違うのは、平屋建て、各室が雁行(ジグザグ)して配置され部屋の角を開放的な窓にしているところだ。
部屋の角に壁を持たないことによって、景色も平面的でなくなり、広がりと奥行きができ、採光の質もまったく違うものになっている。
性能をきちんとクリアしても、他をおろそかにせず、デザインもまた欠くことの出来ない機能のひとつなのだ、ということがしっかりと伝わってくる。

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by sadwat | 2008-03-21 20:13 | 建築散歩

江戸東京建物園 前川国男・自邸

建築家・前川国男
自邸1942年(昭和17年))

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コルビジェやレイモンドに師事しモダニズムの先頭を走った建築家・前川国男の木造住宅の傑作。

戦時中の統制下で建てられたとは思えない、豊かでおおらかな空間構成。
この建物の素晴らしさは、すでに語り尽くされているところだが、木割りのバランスの良さと、断面で空間構成をとらえる事の大切さを訪れる度に再認識させてくれる建物である。


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by sadwat | 2008-03-20 00:04 | 建築散歩

江戸東京建物園 堀口捨巳・小出邸

建築家・堀口捨巳
小出邸1925年(大正14年)

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東京小金井にある江戸東京建物園にある堀口捨巳設計・小出邸の玄関の写真。
タイルの精度の悪さ、色のむら、仕上がりの不陸の程度・・・今の住宅ではみなクレームにつながる項目ばかり。
しかしこれが人間の感覚のあいまいさと実によくなじんで調和し、訪れた人をほっとさせるのだ。

住宅にはもっと「あいまいさ」や「生活のわずかな歪」みたいなものを許容するゆとりが欲しいと思う。
ツルツルピカピカ手間いらず、精度がよく便利で手のかからないものを寄せ集めると素晴らしい住まいになるか・・・

「否」である。

人間には「心地よい不自由さを愉しむ」という自由があるのだ。




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by sadwat | 2008-03-16 16:49 | 建築散歩

T定規の垂撥

事務所玄関脇の壁に、T定規を垂撥に見立て,志野の掛花入れに庭の菊を挿してみた。
このT定規は、すでに亡くなったある高名な建築家の自邸の解体に先立って、見学をさせていただいた折り、不要なものの中から頂戴してきたもの。
あらためてこのT定規を見ていると、一種宗教的な象徴のようにも見えてくる。色といい、艶といい、えもいわれぬ風格があり、製図台に向き合っているその建築家の気迫と真剣なまなざしを感じて身の引き締まる思いがするのだ。

事務所開設当時から、作業の効率を考えて図面をコンピュータ化したものの、思考のスピードと作業のスピードが一致するまでにひどく時間がかかったのを思い出す。
鉛筆を削りながらアイデアをめぐらせ、T定規と三角定規で簡単に消せない線を積み重ね、まっ黒になった図面を書いていた頃を懐かしく思う。
構想を練り上げるスピードと手の動くスピードが一致することは大切なことだ。ストーリーが展開する早さとページをめくる早さがぴったり一致した小説を読むように明解なイメージが沸いてくるのだ。



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by sadwat | 2007-11-22 16:30 | 事務所のしごと

伊豆湯ケ島温泉「落合楼 村上」昭和初期の秀作旅館に泊る

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11月快晴の日曜日、伊豆半島の中央部、湯ケ島へ家族旅行。どうせ泊るなら由緒正しき旅館ということでへ。
5つの棟からなる全ての建築物が国の指定登録文化財である。なかでも興味の中心は昭和12年ごろに建てられた「眠雲亭」、今回は一階の浮舟という部屋に泊まった。関東風の数寄屋造りの客室に、いかにも昭和初期といった風情の寝室が付属する。

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地元の棟梁によって建てられた質の高い仕事に職人の気迫が伝わってくる。
材料の選択、細かい仕口の納めや繊細な建具の造り出す雰囲気など、何一つおろそかなところがない。そのバランス感覚と質の高さは近頃の一見豪華で何もかも揃っているがどこか洗練とはほど遠い和風旅館では味わうことができない。そこには心地よい制約といったものが感じられ、便利さと引き換えに失ってきたものを発見する思いがするのである。
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眠雲亭の寝室特有の雰囲気を作り上げているのは風格ある図案と色使いのステンドグラスによる窓の装飾だ。さぞかし高名な作家によるものと思われるが、品のよい深みのある色使いと配色、リムの太さと構図のバランスが絶妙である。この窓を通した光に目覚めると、一瞬何が起きたかわからないような幻想的な感覚につつまれる。
時間の洗礼を受けた空間だけが持つ建築の奥深さを堪能した。
f0156448_18231075.jpg当主村上氏のご案内で館内を案内していただく。実に様々な意匠に驚かされる、差し込む光も美しいf0156448_11382359.jpg蜘蛛の錺仕事を施した欄間、グロテスクな感じはなく、むしろ守り神をイメージさせる
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f0156448_1354674.jpg和モダンという言葉はあまり好きではないが、和モダンそのものの建具デザイン、すばらしい
f0156448_1824271.jpgこれでもかといわんばかりの手の込んだ網代天井(大広間・紫檀の間)細い煤竹を編み込んだ網代天井ははじめての出会い、美しい
f0156448_18245115.jpg美しい刺繍のふとん
f0156448_18274862.jpg仲居さんの所作も美しい
f0156448_1855672.jpg吊り橋を渡って本館に帰る女将・・美しい。
心に残る旅館でした。

by sadwat | 2007-11-10 01:37 | 建築散歩

渡辺貞明建築設計事務所

〒211-0025 川崎市中原区木月1丁目4-15

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http://japanese-modern.jp/

sadwat@mac.com
TEL、FAX : 044-434-4777 
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・ 1952年東京都中央区生まれ
・ '72東京都立航空高専航空原動機工学科卒業後
  海外青年協力隊、任地フィリピン共和国マニラ市ラサール大学工学部講師などを経て
・ '82東京都立大学工学部建築学科編入学、同'84卒業
早川正夫建築設計事務所勤務
・ '97年渡辺貞明建築設計事務所設立 
by sadwat | 2007-10-26 19:51 | □Home page・Profile