渡辺貞明建築設計事務所   mail : sadwat@mac.com 044-434-4777


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<   2007年 11月 ( 6 )   > この月の画像一覧

T定規の垂撥

事務所玄関脇の壁に、T定規を垂撥に見立て,志野の掛花入れに庭の菊を挿してみた。
このT定規は、すでに亡くなったある高名な建築家の自邸の解体に先立って、見学をさせていただいた折り、不要なものの中から頂戴してきたもの。
あらためてこのT定規を見ていると、一種宗教的な象徴のようにも見えてくる。色といい、艶といい、えもいわれぬ風格があり、製図台に向き合っているその建築家の気迫と真剣なまなざしを感じて身の引き締まる思いがするのだ。

事務所開設当時から、作業の効率を考えて図面をコンピュータ化したものの、思考のスピードと作業のスピードが一致するまでにひどく時間がかかったのを思い出す。
鉛筆を削りながらアイデアをめぐらせ、T定規と三角定規で簡単に消せない線を積み重ね、まっ黒になった図面を書いていた頃を懐かしく思う。
構想を練り上げるスピードと手の動くスピードが一致することは大切なことだ。ストーリーが展開する早さとページをめくる早さがぴったり一致した小説を読むように明解なイメージが沸いてくるのだ。



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by sadwat | 2007-11-22 16:30 | 事務所のしごと

秋谷のこころ・海と暮す家・071117

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05/11/30 大正末期の酒屋さんの蔵・更地にして売り出されると聞いて、とりあえず入手保護・何とか救いたい。
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06/07/23 国道134号線に沿って湘南の美しい谷戸の深い緑が見えた頃。右端がMy蔵。

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06/08/03 徐々に変わっていく秋谷
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07/06/23 マンションはこの上にさらに5階分積み重なって完成、この写真は4階まで建ち上がったところ。マンションからの抜群の眺めは請け合う。

あまりにもでかいこのマンションに圧倒されて、My蔵はずいぶんしょぼくれた感じ。
この蔵が秋谷の風景にふさわしく、いきいきとしていた時代があったのだ。
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この蔵は酒屋さんの倉庫として造ったもので、入り口は漆喰の分厚い引き戸、升のマークが見える、とてもおしゃれなデザイン〔ただの酒ビンの倉庫にここまでやるか、昔の人は気合いが違う)・戸車が錆びて今はもう動かない。

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2階内部の様子、外観は石造りに見えて基本構造は木造。
長い間使われていなかったので梁の松には虫が入ってぼろぼろ。外壁の石も風化が激しい・・・幸い虫の被害は表面だけにとどまって構造的な強度が確保できる太さは残っている・・まだ命はつながっている・・外壁に積み重ねた佐島石は風化と亀裂がひどい、内部に水の浸入がある。屋根の雨漏りは無い。
とりあえず表面硬化剤と撥水剤を使って外壁を保護、これを使うと左官仕事が効かなくなる可能性がある、慎重に検討するつもり。
息も絶え絶えの蔵だが、なんとか再生させたい。
by sadwat | 2007-11-17 21:37 | 秋谷のこころ・海と暮す家

大人の湘南・秋谷の夕日


ページ最後に他の写真も紹介しています、クリックしてください

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一口に湘南といってもにもいろいろなイメージがある、国道134号線に沿って茅ケ崎あたりから江ノ島・鎌倉・逗子・葉山とそれぞれ個性的な名所が続くが、もう一歩足をのばすと葉山の隣に秋谷という漁港を抱えた静かな集落がある。他のにぎやかな湘南と違って134号線と海岸のあいだにひっそりとした感じで人家が密集し、道路から直接海に面することが無いので、派手な商売をしにくいことが落ち着いた雰囲気の理由だろう。しかし最近ではそこに目をつけたマンション開発が軒並み実施され、その景観は壊滅的打撃を受けている。

それでも秋谷が素晴らしいのは、秋谷海岸からの夕日が湘南随一の美しさを誇るからなのだ。江ノ島・富士山を背景に秋谷海岸のはずれにある名勝立石公園の松のシルエットは見るたびに変幻自在の美しさを見せてくれて飽きることがない。
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夕暮れのショータイム、夕日に赤く染まっていた富士山は時々刻々変化して,ついに夕焼けを背にした黒いシルエットになる、この一瞬は胸が締めつけられるほどの美しさだ。

小さな漁船が静かに帰ってきた。



秋谷は泉鏡花の幻想的な小説『草迷宮』の舞台となった場所でもあり、この小説にでてくる「三浦の大崩れ」とはこのあたりのことのようである。この作品でも秋谷から見る江ノ島と富士山を美しく表現しているので紹介しておく。

「修業中の小次郎法師が、諸国一見の途次(みちすがら)、相州三崎まわりをして、秋谷(あきや)の海岸を通った時の事である。
 件(くだん)の大崩壊(おおくずれ)の海に突出でた、獅子王の腹を、太平洋の方から一町ばかり前途(ゆくて)に見渡す、街道端(ばた)の——直ぐ崖の下へ白浪が打寄せる——江の島と富士とを、簾(すだれ)に透かして描いたような、ちょっとした葭簀張(よしずばり)の茶店に休むと、媼(うば)が口の長い鉄葉(ブリキ)の湯沸(ゆわかし)から、渋茶を注(つ)いで、人皇(にんのう)何代の御時(おんとき)かの箱根細工の木地盆に、装溢(もりこぼ)れるばかりなのを差出した。・・・・」


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立石公園の岩鼻の梵天の松は絵のように美しい、夕日が沈む時間になるとどこからともなく地元の人たちが集まってくる。

湘南にもっとも似合う樹は椰子ではない、松だと思う・・・秋谷海岸から


その他の秋谷の夕日


その他の秋谷の夕日


その他の秋谷の夕日




by sadwat | 2007-11-15 01:09 | 大人の湘南・秋谷スケッチ

日本民家園・2畳の民家

民家をイメージした別荘の依頼があった、久々に川崎市立日本民家園に行く。
何度訪れても、素朴ながら圧倒的な力強さに魅せられる。

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全国から集められた豪快な建物群にひっそりと「菅の船頭小屋」という建物が移築されている。


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解説によれば
「多摩川の渡し場にあって、船頭が客待ち・休憩・川の見張りなどに使用した小屋。小屋が移動できるよう、四隅の柱には丸太を通し担ぐための鉄の輪が取り付けられている。昭和4年」
わずか2畳の空間である。窓の位置、大きさとも完璧。ささやかな囲炉裏にお茶のセット、他にはなにもいらない。欲張らず、まさに身の丈に合ってフィット感抜群。



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みんな自分の住まいにもこういう場所を欲しがっているんだろうな・・・・・次回の設計ではこの感じにチャレンジしてみよう。


by sadwat | 2007-11-12 16:32 | 建築散歩

伊豆湯ケ島温泉「落合楼 村上」昭和初期の秀作旅館に泊る

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11月快晴の日曜日、伊豆半島の中央部、湯ケ島へ家族旅行。どうせ泊るなら由緒正しき旅館ということでへ。
5つの棟からなる全ての建築物が国の指定登録文化財である。なかでも興味の中心は昭和12年ごろに建てられた「眠雲亭」、今回は一階の浮舟という部屋に泊まった。関東風の数寄屋造りの客室に、いかにも昭和初期といった風情の寝室が付属する。

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地元の棟梁によって建てられた質の高い仕事に職人の気迫が伝わってくる。
材料の選択、細かい仕口の納めや繊細な建具の造り出す雰囲気など、何一つおろそかなところがない。そのバランス感覚と質の高さは近頃の一見豪華で何もかも揃っているがどこか洗練とはほど遠い和風旅館では味わうことができない。そこには心地よい制約といったものが感じられ、便利さと引き換えに失ってきたものを発見する思いがするのである。
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眠雲亭の寝室特有の雰囲気を作り上げているのは風格ある図案と色使いのステンドグラスによる窓の装飾だ。さぞかし高名な作家によるものと思われるが、品のよい深みのある色使いと配色、リムの太さと構図のバランスが絶妙である。この窓を通した光に目覚めると、一瞬何が起きたかわからないような幻想的な感覚につつまれる。
時間の洗礼を受けた空間だけが持つ建築の奥深さを堪能した。
f0156448_18231075.jpg当主村上氏のご案内で館内を案内していただく。実に様々な意匠に驚かされる、差し込む光も美しいf0156448_11382359.jpg蜘蛛の錺仕事を施した欄間、グロテスクな感じはなく、むしろ守り神をイメージさせる
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f0156448_1354674.jpg和モダンという言葉はあまり好きではないが、和モダンそのものの建具デザイン、すばらしい
f0156448_1824271.jpgこれでもかといわんばかりの手の込んだ網代天井(大広間・紫檀の間)細い煤竹を編み込んだ網代天井ははじめての出会い、美しい
f0156448_18245115.jpg美しい刺繍のふとん
f0156448_18274862.jpg仲居さんの所作も美しい
f0156448_1855672.jpg吊り橋を渡って本館に帰る女将・・美しい。
心に残る旅館でした。

by sadwat | 2007-11-10 01:37 | 建築散歩

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ホームページでは伝えきれないことや建築の周辺の事柄を思いつくままに気楽にお伝えできればと思います。


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谷山邸
渡辺篤史の「建物探訪」

2007年7月29日(日)放送
神奈川県鎌倉市・谷山邸
眺めのいい家シリーズ<海>
- 古き良き昭和の薫り 波の音聴く本格和風住宅 −
by sadwat | 2007-11-07 00:06