渡辺貞明建築設計事務所   mail : sadwat@mac.com 044-434-4777


by sadwat

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鎌倉の茶室 700年の眠りから覚めたものたち

鎌倉の茶室

鎌倉に計画中の茶室付住宅の建設予定地は鎌倉時代の大倉幕府跡という史跡の上に建つことになる。

埋蔵文化財包蔵地域というとても厄介な土地なのだ。

60〜70センチも掘ると土器の欠片らしきものが出土し始め、
次々と何層にもわたって生活基盤とおぼしき地層が発見され、
突然人の気配のする出土品の群れに突き当たる



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可愛らしい、とにかくかわいいこの下駄は女性のものらしい
下駄の右にあるのは 箸

とても小さな足、手に取ってみると700年前にこの下駄を履いていた人と何となく
コミュニケーション出来たような心持ちになるのだ

700歳のあなたはどんなにかわいらしい人だったろう、お逢いしたいです



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この土器の欠片は日常生活に使われていたかわらけ・灯明・壷など

右の壷は直径60センチ位の大きな常滑の壷、
これをどうしても欲しいと言ったら絶対にダメだそうだ、
土地の持ち主でも出土品は鎌倉市に帰属するのでもらうことは出来ない。
発掘費用は地主負担です。
ナットクいかない。

左下の穴のあいた陶片は壊れた土鍋や石鍋などに穴を空けお湯に浸けるなどして温め
懐に入れて暖をとるのだそうだ。
温石(おんじゃく)という。昔ホッカイロみたいなものだ。
同じ石で700年前と同じぬくもりを感じてみたくなる。



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これは形代(かたしろ)と呼ばれるおもちゃのようなもの

ウィキペディアによると
「形代(かたしろ)とは、神霊が依り憑く(よりつく)依り代の一種。
人間の霊を宿す場合は人形を用いるなど、神霊が依り憑き易いように形を整えた物を指す。」



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漆塗りの杯のようなもの、小皿かもしれない
左の絵付けは手書き、右は印判でハンコで絵付けをしたようなもの


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温石・・どんな人のからだを暖めたのだろう。



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敷地の一隅に現れた、御堂らしきものの礎石跡の一部・・・んーっ凄い
時と歴史が積み重なった土地の持つオーラを発している
恐れ多くもこの上に家を建てるのだ、鎌倉に家を建てるということはこういうことだ。
連綿と続いてきた歴史の延長線上に現代の私たちの生活があることを思わないわけにはいかない




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by sadwat | 2010-03-13 20:39 | 事務所のしごと | Comments(12)
Commented by y_and_r_d at 2010-03-14 10:52
こんにちは。
さすが鎌倉、積層された歴史を感じます。
我が家も古墳とか貝塚の多い地域に建てたのですが
幸か不幸か何も出てきませんでした。
家を建てるなら、
埋め立て地とか、造成地ではなく
昔からヒトが住んでいる場所で・・・と
思っていたので・・・。
Commented by sadwat at 2010-03-14 18:32
y_and_r_dさん

昔からヒトが住んでいるということは、土地を探す場合に大切なことですが、余り意識している方は少ないと思います。
こうして歴史の積み重なった土地の上に家を建てるということは、私の設計した住まいもまたせんえつながら一層を重ねることになるのだということに気がつきました。
Commented by じゃらん堂 at 2010-03-14 20:47 x
建築家の仕事とは、空間的な構築だけではなく、時間的・歴史的にも何かを構築して行く仕事なんですね。下駄の少女と時空を超えて私もコミュニケーションがしてみたいです。
Commented by sadwat at 2010-03-14 21:14
じゃらん堂さん
お近くですので、是非じかにご覧下さい、お電話いただければご案内いたします。
確かに実在していたこの下駄をはいていた少女、想像するだけでも楽しいですね
Commented by saitamanikki2008 at 2010-03-15 16:11
大変珍しいものを拝見させて頂きました。
文化財が発掘される可能性が高い鎌倉は、ワクワクする半面 発掘された時の措置も大変そうですね。
700年の眠りから目を覚ました貴重な文化財の漆絵皿や下駄・箸に驚きました。

Commented by sadwat at 2010-03-15 17:52
saitamanikki2008さん
敷地を決定した当初は埋蔵文化財のがある地域にあたってしまい、がっかりしていましたが、こうして現実に700年前の人たちが日常使っていたもの、身に付けていたものにてを触れてみると、また考えも変ってきます。
その時代の人たちと繋がっているという不思議な感じは、なぜか心地よく、こころ躍るものがあります。
是非おいでの際はご覧になってみてください。
Commented by noripon4126 at 2010-03-16 10:46
こんにちは!
これはすごいですね。特に小皿が模様までしっかりと残っていて大変貴重な物を見させていただきました。建設現場の基礎工事などでは、こういうことをお目にかかる機会もあるのですね。当面は発掘作業や現場保存などになるのでしょうか。
Commented by sadwat at 2010-03-16 11:18
こんなことが起こるのは、鎌倉のような歴史を保存すべき場所だからですが、このような土地を買うには、発掘費用は自己負担ですので数百万円余分にかかりますし、ライフスタイルや建物も外から勝手なものを持ち込むのではなく、この場所にあわせる覚悟が必要です
Commented by nijiirocamerallia at 2010-03-16 13:48
うわ~~~!感動で鳥肌が立ちそうです。
時代を超えて会うはずもなかった人と会えた感じですね。
同じ場所で700年前、これらを使っていた方々はどんな風に笑っていたのでしょうね。

ところで、
地主はもらえないのに発掘費用は地主負担なんですか?
納得いかないです(><)
Commented by sadwat at 2010-03-16 15:02
nijiirocameralliaさん
そうなんです、この下駄に触れていると、どこからか声が聞こえる気がしてきますよ。

>ところで、
地主はもらえないのに発掘費用は地主負担なんですか?
納得いかないです(><>

そうなんですザクザク小判が出てきてもダメなんでしょうね
Commented by nageire-fushe at 2010-04-11 07:48
はじめまして。
埋蔵物のすばらしさに思わず書き込みしております。
時間を経て現代へ昔のご先祖様たちからの貴重なメッセージ
感動します。
Commented by sadwat at 2010-04-11 15:39
nageire-fusheさん
タイムカプセルのような発掘品の数々
私たちはこんなに感動するものを700年後に残せるでしょうか。